リトグラフとは
lithograph, lithographi : 訳して石版画、石版印刷術です。
以前は版材に石版石を用いていましたのでその名が生まれました。
現在ではリトグラフといえばアルミ板(砂目加工)を使うのが一般的で、他にもPS版、亜鉛(ジンク)版などの金属板も使用します。 また、リトグラフは版画の一種で平版画にあたります。 版画には凸版、凹版、平版、孔版の4種類がありますが、リトグラフはこの中で平版にあたります。
木版画の凸面や銅版画の掘り込み(凹面)などを創る版画ではなく、平板の上に油が水をはじく性質と化学反応を利用して、油性の描画材料のクレヨンやダーマトグラフ、解き墨などで原版に絵を描き、その絵が版に定着する様、薬品処理を施し、プレス機で紙に圧着し刷り取ります。
リトグラフは完成した作品の一枚一枚を作家が認定したものだけに認定ナンバー(Edition)を付けた限定刷りのオリジナル版画で、複製画ではなく絵画そのものです。刷り終了後の版絵は消してしまいます。
リトグラフは18世紀末にドイツで美術とは別の目的で考案されましたが、フランスでの隆盛が目覚ましく、
19世紀にはゴヤ、ドラクロワ、後半にはマネ、ドガ、ロートレック、ゴーギャンなどほとんどの画家が手掛け、
20世紀に入りピカソ、ミロ、クレー、カンデンスキー、シャガール、ダリといった巨匠たちもリトグラフの分野で活躍しています。